銀髪と呪眼と赤い外套~夢の競演特別編~
修内太の肩を借りたまま、私は魔方陣の続きを描く。

彼の左手から流れ落ちる血液。

既に相当の量が流れている。

「……っ」

修内太の目が虚ろになっている。

あまりいい状態ではない。

「もういいわ修内太、このくらいで…」

「馬鹿…魔方陣…まだ完成してないだろ…」

息を荒げながら修内太が呟く。

「実力じゃお前らに遠く及ばない俺が、唯一役に立てる場面なんだ…かっこつけさせろよ…」

「…っ…」

彼のこの厚意と行為を、無駄にする訳にはいかない。

「…もう少しの辛抱だからね」

彼の血で最後の神代文字を描く。

そして。

「      」

最後に彼の左手の傷を、治癒魔術で治療した。

「有難う修内太…魔方陣…完成したからね」

「…そっか…」

疲れた顔で修内太は微笑む。

「そんじゃ悪いけど…俺は少し…休ませて…」

そこまで言って、彼は校庭にドサリと倒れて気を失った。

…本当に恩に着るわ。

後でしっかり治療して、滋養のつくものでも作ってあげる。

心の中で修内太に礼を言う。

「さてと」

私は向き直った。

「お待ちかねのショータイムよ、ガーラ…!!」

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