死神のお仕事

好きにしていいっていうのはこういう事なんだ。自分の責任は自分で持てと。サエキさんにあった私の責任は、今私自身が握ってる。だから私は自由なはずなのに、結局何も出来ない。一人で魂を食べにでも行けば良い。でも、出来ない。

変わらない私は、何も出来無いで文句ばかり口にする。何にもなれない私は、人間でも死神でもない、なんでも無い存在。何の意味も無い存在ーーもう私なんて、


ーートントン


ハッと、音の方へ視線が貼り付く。
急に玄関の扉から、音がする。


ーートントン


ノックだ。ノックされてる。こんな、夜遅くに。
誰?怖い。


カチャッ…


「 ‼︎ 」


開いた…っ!どうしよう‼︎

恐怖で身体が硬って動かない、声も出ない、浅くしか息が吸えない、その後上手く吐けない、どうしよう、どうしよう、


「あかりちゃん」


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