死神のお仕事


そうしたら、そこで、だ。


「コレでまた新しく点滴用のヤツが作れるんだよ」

「え?…あ、今日私が使うからって事ですか?」

「そう。少し時間が掛かるから貰えると助かるんだ」


すらすらと、私の思いに応えるかのように答えをくれたのはアラタさん、彼だった。もちろんニッコリと素敵な微笑み付きでだ。


なんて…なんて気の利く良い人なんだ…!


「サエキさんとは大違い…っ」

「なんだ?宣戦布告か?」

「! いっ、いえ!そんなつもりは!」

「アラタ、思いっきり太いヤツで頼む。手間掛けさせといて反省の色が見えねぇ」

「 ‼︎ 」


太いヤツって、太い針でって事ですよね⁈ 太い針で刺してやれって言ってるんですかあなたは⁈


注射なんて好きじゃない私はもちろん痛いのも嫌いな訳で、つい調子に乗ってポロっと出てしまった本音に後悔しか残らなかった。だってサエキさんはお怒りだ、そんなサエキさんの言う事は絶対だ…なんて、私も随分彼色に染まってしまったような気がする。


「あはは、生憎針はいつも通りのしか持って無いんです。すいません」


それに笑って答えるアラタさんがどちら側の人か、見極める必要性も出てきた。彼色に染まってる系なのか、それとも対抗出来る唯一の存在になってくれるのか…とりあえずこれからはなんだか素敵な彼、アラタさんを観察して調べあげていきたいと思う。




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