死神のお仕事


するとだ。暫く点滴中のそれを眺めていたサエキさんは、「…さてと、」と、テーブルに置きっ放しになってた端末を手に取った。


「じゃあ後は頼んだ。終わったらそいつ帰しちゃって良いから」

「はい、分かりました」

「え……え?」


あれ?後は頼んだ?

帰しちゃって良いから?


「…サエキさん?」

「なんだよ」

「どこか行くんですか?」

「仕事だよ仕事。おまえもアラタに迷惑かけんじゃねぇぞ」

「あ……はい…」


って、ちょっと待ってよと。

急だ、急にだ。急にこれから私とアラタさんを置いてサエキさんは出掛けようとしている訳で…え、これから私、アラタさんと二人きり?


「あ、あのっ、どれくらい掛かるんですか?」

「さぁ。早ければ数十分、遅ければ数時間…今日やる事は終わったから、おまえは点滴終わったら帰ってろよ」

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