夢色、虹色、涙色
学校ではリョウの話題でもちきりだった。
大人たちは、勝手に色々な噂話をしていた。

先生はリョウの為にも噂であれこれ言うなとは言っていたけど、こんな小さな田舎町では噂が広まるのはあっというまだった。

借金があって闇金に手を出したらしいとか、父親は愛人と出ていったとか、母親はお金に困って身体を売っていたとか。
根も葉もない噂が飛びかっていた。

勝手な事ばかり、進藤さんの家はすごいって持ち上げてたクセに。
だからこんな田舎町嫌いなんだ。


リョウはどうなるの?高校は?
考えても答えなんて見つからず、ただ月日だけが過ぎていった。


月日は流れ、成人式。
久しぶりに地元に帰った。
上京してから、思い出すこともなくなったのに、式典会場でリョウの姿を探してしまう。
居るわけないのに、ね。

リョウ
どうか幸せでいて下さい。



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