メニューとあの人
次の日曜になった。
そう、ミヤとのお出かけ。
私は朝からテンションが上がっていた

「あー、早く行かないとまたミヤに怒られるよ」

ミヤはいつも予定の時間より早く来る。
だから今日も・・・



「ハァハア、あー!」

案の定やっぱりミヤは10分前にはいたみたいで、怒られるってことはなかったけど

「サクノ~遅いわよ~。」

って、その笑顔なに?
なんかとても嬉しそうに・・・
ヒラヒラのスカートにすっきりしたブラウス・・・
なんて格好してるんだろう。
私もおしゃれしてきたはずなのに、まったく敵わない。
なんでこんなに女装が似合うのか?

「ごめんね。ミヤー
・・・今日もまた似合ってるわよ。服装・・」

クスリとミヤは笑って、
「別に怒ってないわよ。ちゃんとサクノが来れたんならなんの心配もないし。そ・れ・に、ありがとう。
サクノも、とっても可愛いわよ~
もう、スリスリしちゃいたいわー」

なんか、怖いよ・・・
ミヤ・・・。

「ミヤ、とりあえず映画見に行こー」

私はミヤに早くいこうよって催促した。
どうせ、いつもと同じようにこのあと可愛いからって本当に抱きしめてくるだろうし。
さすがに町のなかでそれは嫌だ。
そうと決まれば、とりあえず映画館にさっさといこう!

「はいはい。クスリ
本当に可愛いわね。(食べちゃいたいくらいよ。)」



「今なんか言った?」
小さくて聞こえなかったけど最後あたりなんて言ったんだろう?


「なんも言ってないわよ。クスリ。
そんなことより早く行きましょうね。」

ミヤの微笑みに私はちょっとゾクリと背筋に走った。

今日のミヤはなんか違う気がする?
なんだろう?優しい面倒見の良いお姉さんというよりは、どっちかというと・・

少し・・男の人って感じがした。

ミヤと出会ってからこんなことは始めてた。

そういえば、私はいつからミヤがいる生活に慣れてしまったんだろう?





なんて考えていたら、映画館についた。

「サクノ~なにがいいかしら?
なにか飲み物買っていくからこの席に座ってて。」

と、言われて渡されたのは今日観る映画のチケット。

「えー、いいよ。私、自分で買うから
何でもミヤに頼りっぱなしは、さすがに駄目だから。」

「サクノ。何がいいのかしら?」

うっ、・・・絶対にひかないな。
・・・しょうがない!もう、甘えるか。

「・・・う~ん、じゃ~ね 紅茶のブレンドって書いてあるからそれお願いしていい?」

なんか、美味しそうだしね。

「いいわよ~。
じゃ、買ってくるわねー」

歩き方見習った方がいいかしら・・・颯爽として本当に性別を疑ってしまうよ。
< 5 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop