君が笑うとき
「でも可愛いなあ。欲しいな」


麻由は嬉しそうにペアのネックレスを手にとり、うっとりしていた。


「買うの?」


「ん~…。欲しいけど、まあカップルってのが微妙だよね~…。」


麻由はそんなことを言いながら、さりげなく嫌味のように俺の顔を見る。


「じゃあ買うなよっ」


俺はポンと軽く彼女の頭を叩く。


でも麻由はずっとそれとにらめっこしていた。


そして迷った末に「やっぱいいや」と言ってペアネックレスを置いた。


「いらねぇの?」


俺は再び聞く。


「うん、もういいや~」


「ふーん」


…『欲しい』なんて言えなかった。


そんなこと言ったら、絶対こいつにからかわれる。


俺はそんな気持ちも胸の中に秘めていた。
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