俺様常務の甘い策略
誰がお前の相手などするか!

相手するだけ婚期が遅れる。

「全然良くない!もう帰る」

もう今日は撤収だ。帰りにコンビニによってビールでも買ってやけ酒してやる!

ムカムカしながら藤堂を避けて帰ろうとすると、突然彼に腕を捕まれた。

「待ってよ。六年ぶりに会うんだ。ちょっと付き合うくらい良いよね?」

「藤堂と話したって何のメリットもないわよ!その手、放しなさいよ」

「メリットねえ」

藤堂は私の腕を放すと、その綺麗な顎に手を当てながら、何か意味ありげな視線を私に向ける。

「何よ」

私がキッと藤堂を睨み付けると、彼は口元を綻ばしながら私に向かってとんでもないことを口にした。

「上司と親交を深めるのは、秋月にとっても悪い話じゃないと思うけど」
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