俺様常務の甘い策略
にっこり微笑みながら答えると、田中さんはその言葉に納得いかなかったのか嫌悪感を露にして呟いた。

「……何故秋月さんなんか……」

ここ数日感じていた事だが、やはり田中さんは秋月を嫌悪しているようだ。

憎々しげに秋月を見ている。

「その顔、意外そうだね。でも、恋愛って理屈じゃないでしょ。俺が君を選べば君は納得するのかな?」

田中さんをじっと見据えて冷淡に言うと、彼女は気まずそうに俺から目を逸らした。

「それは……」

図星か。

誰もが自分に夢中になると思ってる。

「でも……秋月さんと藤堂さんじゃ全然似合わないと思います!」

気を取り直した田中さんが悔しそうに反論する。

「君の意見は必要としてないよ。俺達の問題だしね」

冷ややかな目でそう言うと、田中さんはムキになって言い張った。
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