夢色約束

「お嬢様!お嬢様!」

ハッ


「あ…おはようございます、お嬢様」


「早苗…さん」


「こんなところで寝ては、風邪を引かれますよ」

え…?

あ、私、ソファで寝ちゃったのか…


「ごめん、なさい…」


「…いえ、お食事の用意ができあがっております」


「すぐに、行きます」

しっかり、しなくちゃ。

私は汗を落とそうと、シャワーを浴びに行った。


「ふぅ…よし!」

カチャ


「おはようございます」


「お待ちしておりました、お嬢様」

早苗さんは、笑顔で迎えてくれた。


「ごめんなさい」


「いいのですよ、さぁ、今日からまた学校です。お急ぎください、お嬢様」


「はい」

そうだ。

今日からまた学校。

悲しみに浸っている時間はない。

光がいなくなったって毎日は、止まることなく進むんだから。
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