夢色約束


『光…お母さん、いなくなっちゃった…ひとりに、なっちゃったよぉ…!』

苦しい。

哀しい。

恐い。

助けて…助けて……!!


『大丈夫…!』

背中に光のあたたかな腕が回る。

安心する。


『香里奈には、俺がいるから。ずっと、そばにいるから』


『ほんと…?』


『うん』


『ずっと…?』


『ずっと』


『ぜったい?』


『ぜったい』


『約束?』


『約束するよ、そばにいる。俺が、香里奈を守るよ』


『ひか…』

え、

ぐにゃりと世界が歪む。

足元が揺れる。


『きゃぁ!』

地面が割れて堕ちていく。


『光!?光!?』

光はいつの間にかいなくなっていた。


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