夢色約束

「どうして、光さんが…」


「荷物、取りに来た」


「…そう、ですか」


「この時間なら、あの方は学校だろ」


「っ、それは……」

西園寺様から、なにも聴いてないらっしゃらないようだ…。


「まあ、取ったらすぐ戻るから」


「わかりました」

光さんは元の自室へ入って行かれた。


「早苗さん、お嬢様起こされますか?」

小さな声で隣にいたメイドさんが話しかけてくる。


「いいえ、そのままで結構です」

どうせ、すぐ会えなくなるなら、言わない方がいい。


「わかりました」

そういって去っていく。

私も、仕事をしよう。

さっき眠られたばかりだからしばらく目を覚まさないだろう。
< 181 / 261 >

この作品をシェア

pagetop