無気力な彼は、たまに意地悪




そう言った途端にちーちゃんの手が離れて、頭に掛かるズシリとした重み。






「お、おもい……」




見上げると、




「誰が重いわけ?」




「アキちゃん!?」




アキちゃんがなんでここに!?

アキちゃんとはクラスが遠くて、私が1組でアキちゃんは7組だからここまでくるだけでも時間がかかる。



だからわざわざ来ることなんて滅多にないのに…




「コハ、お弁当忘れてたから」




はい、と手渡されたのは私が忘れたんであろうお弁当。



「あ、アキちゃんありがと」



はははーと笑うも、

正直、忘れたことにも気づかなかったなんて死んでも言えない。




「ってか、俺さ、数学の教科書忘れたんだよね」



そう言って手を差し出すアキちゃん。




「………え?なにそれどういうこと?私が貸すってこと?」



「馬鹿なのアホなの?他に誰に借りるの」



「え、でも2限に数学あるから1限終わったら返しにきてね?」



なんでアキちゃん、わざわざ私に借りるんだろう。


私なんかじゃなくて、アキちゃんは仲良い人がいっぱいいるから他の人に借りればいいのにな。




「えー、2限数学なの?しょうがないからくるよ、めんどくさいけど」


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