そのままの君でいて
「愛恵さん…全部ほんとっすか?」

ようやく堺が口を開いた。

「ほんとょ」

「堺くん。ついてなくていいから。何かあれば電話する。社長には私から話すわ。地下で下ろして」

「…はい…わかりました…」


昼過ぎ…

愛恵がマンションに戻ったのは12時を過ぎていた…


部屋は 愛恵が出ていったままだった。


愛恵は先程の置き手紙を破り捨てた。

インスタントのコーヒーを入れて… 一息つく。

康介の診療所に電話を入れた。

明日 明後日には 彼らをも巻込む恐れがある…

「もしもし?」

「おっ。早起きだな」
また 嫌味を言う。

「ふざけてる体力なしだから。ようけんだけゆうわぁ」

「なんだょ。どうした?」

愛恵は 朝からの出来事を伝えた。

「大丈夫駄とは思うけど。優さんにも気をつけてと…それだけ」


「お前出れないじゃん。あとで優に必要なもの届けさせるぞ?」

「ありがとう。今のところ大丈夫…」

「気をつけて」


優は、何かあったのは
気付いたらしい。


康介は、一通り優に話す。
「家出れなきゃ大変だなぁ…」

「あとでなんか買い物してやるか…」

「うん…そうだね。…しかし、ほんとこうなると芸能人て大変ね…」


「だな…」

2人は、人事ではなく、愛恵とジョーが心配だった。






< 105 / 136 >

この作品をシェア

pagetop