君しか知らない世界

正論




「ケータイ電話持ち込み禁止!」


午前中の草むしりを終え、各学年で昼食を食べている時だった。

学年主任に怒られている少女に俺は見覚えがある。


『紅林 あゆみ』

遅刻、授業中の居眠りの常習犯で一年の時に俺と同じクラスだった。

どちらかといえば、目立つタイプでもないがショートカットが印象的な子だった。


「事前に配られたプリントにケータイの持ち込み禁止なんて書かれてませんでした。」


彼女はそう言い放った。

正直、俺は一年の時からこいつは肝が据わってると思っていたがそれは俺だけではなかったようだ。


「いやー、ふごいねあの子。なんふみの子よ?」


リュウジンが口に昼食のカレーライスを頬張りながら言う。

そういえば何組だろう。

接点は1年生の時に同じクラスだった、ということだけだが、特に仲が良かったわけでも悪かったわけでもなく普通に過ごしていた。



「F組だよ。」

リュウジンの隣でカレーライスを食べていた谷地がそう言った。

おー、辛い辛い!

谷地にはカレーが少し辛かったみたいで、水をがぷがぷと飲んでいた。


「へえ!さすが、谷地、下調べが早いですな〜!」

リュウジンが肘で谷地の肩をつつく。

下調べ?


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