ミュンミュンゴシップ
そろそろ貴方に気づいてほしいな。

お腹のこと。けっこう大きくなってきたのよ?

男の子だって。名前は何にしようか。

優一の優と実祐希の希で優希なんてどう?

なんて…。一人でなに考えてるんだろう。

今から現実を突きつけられるから逃げたくなる。

「お待たせしました。吉野さん。依頼された調査の結果なんですが。」

一人の男がやってくる。ここは喫茶店。

念のために隣の市までやって来ている。あの人にバレたら嫌だもの。

「はい。ありがとうございます。」

手渡された資料に写真が何枚か入っていた。

女と仲良く歩いているあの人。女と仲良くカフェで喋っているあの人。

女とホテルに入るあの人。

「残念ながら旦那さんは浮気をされていますね。相手の女性は見た目からして25歳くらいでしょうか。」

「相澤 美結…良い大人のくせして人のものに手を出さないでよ…。」

「吉野さんの意思にもよるのですが、これからの方法としては3種類あります。一つ目は離婚。二つ目は相手の女性に忠告それから損害賠償金をとる。三つ目はこのまま。です。後は貴方が決めることです。」

離婚なんてしたくない。このままなんて嫌。

私はお腹をさする。

「ですが、1つ私から言わせていただきますと、吉野さんの体はもう一人の体ではないと言うことなのであまりストレスが掛かるようなことはなさらないでください。それだけ忠告しておきます。では、以上です。お支払は後日振り込んで下さい。」

そう言って男は去っていく。
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