にんじんは甘い、ピーマンは苦い
その2日後だ

紀莉子が泣きながら、なつの病室にいる俺のところに来て

「ヒロが死んだ」

そう言ったのは

即死だったらしい

なぜか、俺らには報告をしなかったそうだ

その時にはもう、なおっぺの消息は不明だった

なおっぺの精神状態が、もう、酷かったらしい

家族ごと引っ越したとか

この街に取り残されたのは

俺と紀莉子

記憶を失ったなつだけだった
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