腐れ縁の悪友と元よわむしクン。
そそくさと2人で横にずれる。

ふと桜ロードを見ると真ん中の辺りが明らかに蹴散らされたみたいな状態。

一言で言うなら悲劇だ。

新入生と思われる人々や保護者と思われる方々は真ん中を完全に避け、そして少し、やかなりどんよりした感じで歩いてくる。

雰囲気を本当にぶち壊してしまったみたいだ。

ご、ごめんなさい皆様。

心の中で謝罪。

しかしそんな心の謝罪が伝わるはずもなく私達が蹴散らしていたのを目撃していた人達に通るとき思いっきり睨まれた。

(ムードぶち壊しにしやがってまじ殺すぞ)

心の声が聞こえてくる程にだ。

こ、怖い。

…顔覚えられていじめ?とか。

ないよな、流石にないよな。


「俺らさっきからすっげえ睨まれてない?」

「原因私らな 」

「嘘マジで!?何で!?」

「馬鹿?お前馬鹿なの!?」


妙に綺麗でツヤツヤなゆるふわ茶髪をわっさわっさ揺らしながら原因を考えているクソ野郎。

動かないでほしい。

なんと睨まれる原因がわからないらしい。

めでたい野郎である。


「俺らは皆に漫画みたいなワンシーンはないんだぞって教えてあげてんだよ。むしろ感謝するべき。」

「僻みすぎ」


ただのクソ野郎だった。知ってたけど。

性格が曲がり過ぎてて手遅れだ。


「…てか俺らも行こうぜ?入学式」

「ここで立ち止まってた意味な」


結構な時間ここで立ち尽くし沢山の人から睨まれていたが。

なぜここで立ち止まっていたのか。

謎。
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