僕の恋僕の闇
土足のアイツ
夕陽の園高校に通い始めてもう二年になる

去年の今頃は、先輩の名前とか

教室の場所とか、覚えるのに苦労したっけ

そんなことをおもってワイシャツの袖をめくって

前を見たそんな時だった、見知らぬ男子が

僕を見ていた

『どうしたの?』

僕は学校では、女の子女の子しているみたいだ

から、ちゃんと女の子みたいにしなきゃそう思い

声をかけると、

「馬鹿なの?」

……は?

え、何が馬鹿なの?僕が何をしたと言うんだよ

『え?どうしてかな??私なにか変だったか な?』

「君の過去面白いね。んー。過去というより現在進行形だね。そんなに、そんなことしてて楽しい?」

…え?なんで…?

『私の過去??』

「うん。そうだよ。君は…」

…言わないで。や…めて…

『貴方に私の何がわかるのかな。人の事詮索して楽しい??私は嫌だからもう行くね。』

「待って」

『まだ詮索するつもりだったら、やめてほしいな』

「待ってくれないと、俺今わかること全部言っちゃおうか?」

そう言って、平然を装ってその場からさろうとした僕を彼は呼び止めた。

傍から聞いたら、よくある会話かもしれないが

それは足が竦んで歩くのがやっとだった僕の心

臓を止めるかのような一言だった。

『…なに?過去でも見えるの?』

「まぁ、そんなとこかな。それにしても君…」

『何がわかるっていうの?ぼ…私の何が過去なんて知って同情されても嬉しくもなんともない』

「別に同情なんてする気はないよ。ただ面白かっただけ。」

『…ただ面白いだけ?てめ舐めたことぬかしてんじゃねーぞ?人の過去詮索して人の事笑って楽しいか?んなことのために人の過去なんか使ってんじゃねーぞ!』

「やっぱり、君の正体はそこにあるんだよ。」

『何がやっぱりだよ。何もわかってねーんだよ。これが正体?あー、そーかよ。そーだな、これが正体だよ。もーいい?』

「フフフッ、君ほんとに面白いね。」

『…無駄だな…』

そう言って、僕はアイツの前から去った。


…そういえば、敵意を人に向けたのいつぶりだろう。
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