Hazy moon night
見た目が残念と言うわけでもないのだが、ハヤテは大人しい性格で、昔からピアノを弾く場面以外で目立つ事はなく、いつも“ピアノ弾いてるメガネの人”だった。

ピアノを弾いていなければ“地味で目立たないメガネの人”だ。

幼い頃からピアノばかり弾いていて、最近の流行や恋愛にも疎いハヤテは、当然の如く、21歳になった今に至るまで、恋をした事も彼女ができた事もない。

女の子が嫌いなわけでも、興味がないわけでもないが、自分にまったく自信がないハヤテは、かわいい女の子を見ても“かわいいな”と思う程度で、自分から女の子を好きになったり、付き合いたいと思った事もない。

“どうせ自分みたいな地味で目立たないつまらない男なんて、好きになってくれる女の子がいるはずはない”と、ハヤテの中で恋愛はいつも他人事だった。
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