Hazy moon night
運命=偶然×重なった回数+α
12年後、東京。

2年前にロンドンから日本に戻ったハヤテは、リュウト、トモキ、ユウと、後に仲間に加わったボーカルのタクミと共に、ヒロのプロデュースでロックバンド`ALISON´としてデビューした。

日本に戻ってからも、東京に父親の崇天がいる事から、たまに家族が東京に来て会ったりしていたので、地元に帰る事はなかった。

元々恋愛に対してあまり関心がなく積極的ではないハヤテは、ロンドンにいる間、ひたすら音楽に打ち込む日々を送り、結局誰とも恋愛をする事はなかった。

たまに積極的にアプローチしてくる女性もいたが、多くの場合はそれが恋の駆け引きなのだと気付かずにスルーしていた。

ダイレクトに直球で来られると、好きな子以外とは付き合えないとバッサリお断りして、とりあえず付き合ってみると言う選択肢はなかったが、そんな時いつも決まって思い出すのはメグミの事だった。

少し強引でわがままだったメグミの、小悪魔のような仕草や、歳の割に大人びた表情を思い出しては、メグミは今どうしているだろうと思っていた。


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