鬼姫伝説 Ⅱ



「鬼羅・・・っ!?」




鬼羅の方に矢が突き刺さっている。
振り向くと、家臣の一人が震える手で弓矢を構えていた。




「気にするな、走れ!」



鬼羅が私の手を引いて駆けだす。
欄干から乗りだし勢いよく飛び降りた。





「きゃあっ!」





落ちながら、鬼羅が私を引き寄せ、横抱きに抱える。
踏み場を見つけそこに降り立つと軽やかに城を飛び下りていく。


私は恐怖に鬼羅にしがみ付く。



鬼羅・・・。





鬼羅・・・・ッ!






「鬼羅!千菜ちゃん!こっち!」





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