シンデレラタイム



全ての人にガラスの靴があったとしたら、あたしはきっと精一杯の反抗として、そんなものいらないと割ってしまうでしょう。




なんで?と聞かれてしまえば、それは両親に対しての反抗でしかありません。





シンデレラと同じように、あたし達は親に愛されない兄弟でした。


魔法使いがそんなあたしにガラスの靴を与えてくれたとしても、あたしにはそんなもの必要ありません。






親があんな人だからと貰えたガラスの靴を履くのなら、裸足でいい。




ただ、それに頼らずとも、強くやっていけると信じたかった。







もちろん、今も両親に会う勇気なんてありません。


だけど。




2人に会う勇気なんてないけど、どっかで元気にしてくれてたら、と思えるぐらいあたしは大人になったよ。


そう、いつか伝わるように。




ガラスの靴ではなく、自分の足で立っていたいから。



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