麗雪神話~青銀の王国~
客殿はガラス窓が大きく取られ、さんさんと太陽の光を浴びて輝く美しい宮殿だった。
どの部屋からも、花でいっぱいの中庭へと簡単におりられるようになっている。
その広い中庭の一角に、トリステアの要人たちは集まっていた。
中心のテーブルセットで紅茶を楽しんでいる様子なのは…
(大巫女様!!)
母代わりの懐かしい人を発見し、セレイアは思わず涙ぐみそうになる。
けれどシルフェが隣にいる以上、セレイアはトリステアの皆とは他人のふりをしなければならない。
ぐっとこらえた。
「大巫女ハルキュオネ様。
お初にお目にかかります。わたくしめは旅の者で、ラピストリ候補、シルフェと申します。よろしくお見知りおきを」
とうとうと流れるようにシルフェがハルキュオネと挨拶をかわしている。
セレイアもそうすべきなのだろうが、少しぼんやりとしてしまっていた。
なぜなら、ハルキュオネのそばには、フリムヴェーラや、見知った巫女や神官たち、そして…ディセルの姿があったから。
ディセルはテーブルの脇に立ち、花を愛でていたようだ。
振り返った彼と、目が合ったような気がする。
(…謝ろう。そしてお守りを渡そう)
そう思ったが、そんなことよりまず、駆け出して行って抱きつきたい衝動がこみあげてきた。
抱きついて、謝って、それから―――…。
そんなことを考えていると。
信じられない出来事が起こった。
どの部屋からも、花でいっぱいの中庭へと簡単におりられるようになっている。
その広い中庭の一角に、トリステアの要人たちは集まっていた。
中心のテーブルセットで紅茶を楽しんでいる様子なのは…
(大巫女様!!)
母代わりの懐かしい人を発見し、セレイアは思わず涙ぐみそうになる。
けれどシルフェが隣にいる以上、セレイアはトリステアの皆とは他人のふりをしなければならない。
ぐっとこらえた。
「大巫女ハルキュオネ様。
お初にお目にかかります。わたくしめは旅の者で、ラピストリ候補、シルフェと申します。よろしくお見知りおきを」
とうとうと流れるようにシルフェがハルキュオネと挨拶をかわしている。
セレイアもそうすべきなのだろうが、少しぼんやりとしてしまっていた。
なぜなら、ハルキュオネのそばには、フリムヴェーラや、見知った巫女や神官たち、そして…ディセルの姿があったから。
ディセルはテーブルの脇に立ち、花を愛でていたようだ。
振り返った彼と、目が合ったような気がする。
(…謝ろう。そしてお守りを渡そう)
そう思ったが、そんなことよりまず、駆け出して行って抱きつきたい衝動がこみあげてきた。
抱きついて、謝って、それから―――…。
そんなことを考えていると。
信じられない出来事が起こった。