麗雪神話~青銀の王国~
「そう……ですね………」

それにしても、どちらが大人なんだかわからない。

13歳の女の子に、すっかり納得させられてしまったではないか。

「ところで。
ラピストリの最終試練までもう間がないけれど、セレイアはやっぱりお逃げになるの?」

セレイアは危うく飲んでいる紅茶を吹き出すところだった。

「え……えっ!?」

逃げようとしていることは、誰にも悟られていないと思っていた。

レティシアはふふんと意味ありげに微笑む。

「大丈夫。他の者は気づいていないでしょう。でもあなたが試練から逃げ出そうとしていることくらい、わたくしにはお見通しですわ。
けれど……わたくしはあなたに、逃げずに立ち向かってほしいと思っているのです」

「…………王女殿下」

「女王という仕事は」

レティシアは少し遠い目をして語りだした。
< 136 / 172 >

この作品をシェア

pagetop