麗雪神話~青銀の王国~
その日、セレイアの中で結論が出た。

(逃げないで、何の小細工もしないで、最終試練を受ける。
自分の力と資質を試してみる)

それで女王に選ばれてしまったら、その時はその時にまた改めて考えればいい。

けれど、セレイアは信じている。

王位に一番ふさわしい娘は、レティシア王女だと。

だから最終候補に残りながらも女王に選ばれないこと、それがすなわちセレイアの姫巫女としての資質を認められたことになると思う。

そうしたらまた、ディセルとサラマスと、旅を続けよう。

ディセルの…あの口づけには、きっと事情があったのだと信じる。彼の人柄を、セレイアは誰よりよく知っている。あいさつでたわむれにあんなことをする人ではない。怖がらないで、理由を訊いてみればいい。彼の気持ちは、訊かなければ、わからないのだから。

ヴェインがまたいつ襲ってくるかわからない。

ディセルの身の安全のためにも、セレイアは最終試練をさくっと終わらせて、彼のそばに戻ろうと思う。

きっと、戻れると、思う。

(ディセル、見ていてね。
私―――最終試練を越えてみせるから)

渡せなかったお守りを、セレイアは願いをこめて握り締めた。
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