麗雪神話~青銀の王国~
着地直前、手にした槍で、ヴェインの放った槍を弾く。

キィィィン!

鋭い音と共に、槍は弾かれた。

しかし着地に失敗し、セレイアは背中をひどくこすってしまった。

かなりの痛みがあった。

けれどそんなことに構ってはいられない。

「ディセル! あなたも狙われているわ! 気を付けて!」

「セレイア!? まさか、俺を守って―――! なんて無茶を…!」

ディセルは驚愕している。

だって、仕方ないではないか。

気が付いたら、そうしていたのだから。

「なに? 二人仲良く、あの世に送ってほしいわけ。
了解了解」

ディセルと背中合わせに立ち、互いに武器を構えた。

喧嘩していたことが、嘘のようにぴたりとはまった。

しかしヴェインには相変わらず隙がない。

どうすれば…

そう思った時、背後から澄んだ声が響いた。

「セレイア! 聞いてちょうだい!」

この声は、レティシア王女殿下だ。
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