愛ニ狂ッタ人
地下室から上がり、リビングへと辿り着く。
下と正反対の、眩しい電気が僕に一瞬眩暈を覚えさせた。
「…………」
ずっと、
嫌だった。
簡単にあの牢獄から出られるのに出ようとしないお父様も、
お父様を永遠に縛り付けるお母様も、
お母様の命令に忠実に従うメイドたちも。
全部、全部、
嫌いだった。
「ああっ……」
僕はその場に、頭を抱えて座りこんだ。
お願いだよ。
壊れてよ。
狂ってよ。
傷ついてよ。
堕ちてよ。
雪愛と僕だけの世界に、
なってくれよ……。