愛ニ狂ッタ人
第16章 彼女side







18歳になった私は、ある日愛している彼氏に誘われた。

「一緒にならないか」、と。




ずっとずっと、大好きだった。




最初は、憎かった。

だけど、愛していた。

自然と、愛だけが残った。




私は、

彼と共に、

愛に狂った。




彼は私を守るために罪を犯し、

私も彼を守るために罪を犯す。

絶対にバレない、お互いのための犯罪。





私は誰もいない部屋で、ケータイについた翼のストラップを見た。

少し力をいれてみると、ソレは簡単に割れた。

真っ二つに簡単に割れた、ストラップ。

不良品などでは、決してない。





ストラップの中は、空洞のはずだった。

だけど、ソレは違った。





真っ黒な、塊。

私も、コレよりは大きいけど似たようなものを持っているから、正体が何かわかる。






盗聴器、だ。









< 210 / 234 >

この作品をシェア

pagetop