さぁ、オレと恋をしてみようか
あ、お母さんはやっぱり止めてくれたんだ。


じゃあ、やっぱり悪いのはお父さんだ。


「けど、夜も遅いんだ。なにかあったら、」
「店長さんが毎回、送ってくれてるじゃない」


お母さんが、ピシャリと言う。


剛史さんがトナリにいるからって、必ずしも安全とは限らないけど、それでも男性がいるというだけで心強い。


「でも、その店長だって人の夫だ。なにかあった時、芽衣子を守ることより自分を守るかもしれないだろ」


その一言に、ピクリとわたしの眉が動いた。


「剛史さんのこと悪く言わないでよ」
「いや、でもな？芽衣子、」
「本気で心配して、いつも送ってくれてるんだよ！？それを、そんなふうに言うなんてヒドイっ」


お父さんがそんなふうに思ってたなんて、思わなかった。


実際キケンな人に遭遇したとして、剛史さんがどういう行動するかなんて、わからない。


< 122 / 283 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop