さぁ、オレと恋をしてみようか
「あの日…」
「あの日?」
「うん…二年前、わたしを好きになってくれて、ありがとう」
「…あぁ」


一瞬、驚いた顔をした千織さんだったけど、すぐに頷いた。


「そして、二年もずっと、わたしを想ってくれて、ありがとう…」
「…あぁ」
「千織さんに出会えて、よかった…」
「うん、オレもだよ」
「千織さんを、好きになってよかった」
「うん。オレも芽衣子を好きになって、よかった」


恋に落ちる瞬間は、人それぞれ。


千織さんは、こんなわたしに一目惚れをしてくれた。


わたしは、いつの間にか好きになっていた。


今、あなたの傍に大切な人はいますか?それは、どんな恋でしたか?


「芽衣子、オレと恋をしてくれて、ありがとう。芽衣子のこと、これからも大事にしていく。だから…オレの両親に会ってほしいんだ。芽衣子のこと、紹介したいんだ」


千織さんが、ご両親と向き合おうとしている。


それがなによりも、嬉しかった。


「うんっ。わたしも千織さんのご両親に、会ってみたいっ」


そう言って、千織さんの身体に、ギュ、と抱きついた。


*おわり*


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