さぁ、オレと恋をしてみようか
「千織くん、ごはん食べてって!」
「え、いいんですか?」
「えぇ、いいわよー」


デートの帰り、いつものように千織さんがわたしの家まで送ってくれると、お母さんが外に出ていて千織さんを夕食に誘った。


「お母さんの料理好きなんで、嬉しいです」
「また千織くんは、嬉しいこと言ってくれるんだから!」


お母さんが照れてる横で、千織さんは終始笑顔。そのトナリで、わたしは少しだけおもしろくなかった。


確かにお母さんの料理は美味しいけど、そんな笑顔で言われると、わたしだってヘコむ。


「誰だ!オレはこんなオトコ呼んでないぞ!」
「わたしが誘ったの、なんか文句でもある?」
「………」


相変わらず、お父さんは千織さんがいると嫌がり、お母さんには頭が上がらない。


「ごちそうさま」
「あら、芽衣子?もういいの?って、どこ行くのよ」
「うん、充電切れそうだから、千織さん充電だけしてくるね」
「あぁ、うん」


なんていうのは、ウソで自分の部屋に入るとベッドにダイブした。千織さん、嬉しそうだったなぁ…。お母さんの料理食べて。


その時だ。〝トントン〟と、ドアをノックする音と同時に「芽衣子?」と千織さんが入ってきた。


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