さぁ、オレと恋をしてみようか
「あのねぇ。〝奪え〟って、駆け落ちのような意味じゃないわよ?そして誰も〝壊せ〟とは言ってないじゃない。好きなオトコを自分に振り向かせるの。それができれば、そのカップルは、それまでの関係だったってこと、縁がなかったってだけ。逆に、芽衣子に振り向いてくれたら、縁があったってこと。わかった?」
「あ、うん…」


なんか圧倒されて、つい返事しちゃったけど、実際はわたしの中で処理できてない。


振り向かせるって、いったいどうやって?


どんなことをしたら、振り向いてくれるの?


そういうことも、全然わかんないよ…。


「こーら」
「痛っ」


急に、お母さんの手が軽く、わたしの頭を小突いた。


「なんていう顔してんのよ。まだ彼女がいるのかも、わかんないでしょ」
「そう、だけど…」
「まぁ、フリーだとしても相手が芽衣子のこと、なんとも思ってなかったら、振り向かせなきゃいけないから同じことだけどね」
「………」


そうだった…。どちらにしても、わたしには大きな壁だ。


いや、でもホラ!まだ〝好き〟って確定したわけじゃないし!!


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