さぁ、オレと恋をしてみようか
「やだ、芽衣子ちゃん!オッパイばっか見てるのは、剛史くらいだよ!大丈夫!」
「ちょっと待て、美和子。それじゃあ、まるでオレが、」
「うるさいよ?」


なにかを弁解しようとした剛史さんに、美和子さんがピシャリ言うと剛史さんはすぐに黙った。


なんだか、お父さんとお母さんを見てるみたいで、おかしかった。


「ごめんね、話逸れたね。それでね、自分の気持ちに気付いたじゃない?告白なんか恥ずかしいし、するつもりもなかったのよ。でもね、剛史が他の女の子と話してるのを見たりしてたら、イライラソワソワしちゃってね。そうなったら、いてもたってもいられなくなって、言っちゃったの。〝好き〟って」


す、すごい…。そんな勢いで言えちゃうもんなんだ…。


でもその間に彼女ができちゃうのも、イヤだしね…。


でもその時の剛史さんの返事は、どうだったんだろう。


また剛史さんを見つめると〝はいはい〟と言いながらも、答えてくれた。


「さっきも言ったけど、オレは美和子のこと、ただのクラスメイトとしてしか見てなかったわけね。そんなクラスメイトに〝好き〟って言われて〝じゃあ、付き合うか〟ってなったら、オレただの遊び人でしょ?」


確かにそうだ。そう言われると、深く頷ける。


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