[短]花より彼氏
「あ、あの花弁も綺麗だ!」

彼はそう言って走っていった。

しゃがんで花弁をとって袋にいれる。

そしてまた動いて花弁をとって袋にいれる。


忙しいやつだ。


「見てみて!丁度10枚!これでふたりの栞ができる」


ぴょんぴょんしながら帰り道を歩く。

これでも彼の方がひとつ先輩なのだが。

明らかに子供っぽい。


「もう少し落ち着いて歩こ。車危ないよ」

「あ、そっか。ありがと」


今度はおとなしく歩く。

でも顔がにやけてるぞ。

嬉しいのはわかったからその笑顔隠そうか。


私は思う。

なぜこの人なのか。

子供っぽくて世話の焼ける先輩彼氏。

どうせ先輩ならもっといい人を選べたはずなのに。
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