みんなの冷蔵庫(仮)1
「もうちょっとやる」


ちらりと二人を見てから、私はまたテストに視線を落とした。

前はどうやって消したのか思い出せない。

またふいに泣きそうな風が心に吹いた。

涙の原型となるものが体中から少しづつ集まって塊となり、胸から喉に上がってきている気がした。


「くらら、焦らなくていい」


京極はポケットからブルーのハンカチを差し出した。

え? 泣きたくはなったけど、まだ泣いてないはずだけど……


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