カフェには黒豹と王子様がいます
「やきもちもほどほどにしとけよ。この店小野田目当ての女性客多いからさ。だからこの店出入り禁止だったんじゃない?」

「え~優目当ての人もいるんじゃない?黙ってればかっこいいし。黙ってればね」

 あははと笑う徳永先輩のそばに小野田先輩が行く。

「お前、来るなってあれほど言ったのに」

「ごめん。ねえ、西口さんってあの人でしょ?」

 あ、目が合っちゃった。一応、会釈。

 状況から考えるに、あの子は小野田先輩の彼女……。

 そっか、彼女いたんだ。

 小野田先輩の彼女なら徳永先輩とも仲良くても、不思議じゃないよね。

「いいから、何食べるんだよ」

「えー、恭一のおごり?」

「あはは、いいよ、おごってやるよ。ほら、今日子こういうケーキ好きだろ?生クリーム大盛りにしてもらってやるよ」
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