カフェには黒豹と王子様がいます
第十九章  王子様の秘密
第十九章 王子様の秘密


 ケーキフェアは順調に売り上げを伸ばしていた。

 今日子さんがバイトに来たのは2回だけ。

 一番忙しい時に来るから、あまり話せていなかった。

 今日はケーキフェア最終日、今日子さんも来て、開店からすごく忙しい。


 そんな時、裏でもめている声がする。

 ちらっと裏をのぞくと、元子さんが大泣きしていて、マスターがなだめている。

「あ、西口さんいいところに来た。悪いけど、優……徳永くん呼んできて」

「あ、はい」

 ただ事じゃない様子に、いそいでレジにいる徳永先輩を呼びに行った。

「え?元子さんが?わかった、すぐ行く」

 徳永先輩とレジを代わった。

 
 お客様のお会計が済んで、裏に戻ると徳永先輩が元子さんの肩を抱いて、店を出る所だった。
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