カフェには黒豹と王子様がいます
 豊川はかなり積極的な男だ。

 西口に何をするかわからない。

 今日は小野田が休み。

 なんとなく嫌な予感がして、講習会を早めに切り上げ、店に向かった。

 一応、裏からそっと覗こうと思って、裏口に回った。

 扉を開けようとすると、飛び出して出て来た西口。

 顔を見ると泣きじゃくっている。

 パッと中を見ると豊川がソファに座っていた。

 頭に血が上った。

 西口をこんなに泣くほど傷つけた!

 そこにいる豊川が!

 湧き出る怒りが止まらなかった。

 何をした?

 西口に何をした!

 殴る手が止まらない。

「徳永さん、殴る相手、間違ってますよ」

< 270 / 443 >

この作品をシェア

pagetop