カフェには黒豹と王子様がいます
 でも、本当にやってみたい。

「ちょっと前から考えてはいたんです」

「よかったら、僕と竹本くんがお世話になったフランスのシェフ、紹介するよ」

 急に話が大きくなったな

「フ、フランス??」

 今日子と西口が同時に言った。

「いやだ!恭一、フランスなんて行かないで!」

 まあ、今日子はそういうだろうとは思った。

 俺は今日子の頭をポンと撫でた。

「考えてみます」

 ちょっと将来の夢?みたいなものが見つかった気がした。

「すげえな、小野田」

「いや、接客は徳永にはかなわないから、なんか自分の生かせるものってずっと考えてたんだ」

 本気でケーキの勉強するのも悪くない。
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