カフェには黒豹と王子様がいます
 でも頼む、本当にわかんねえんだ、俺。

「西口、俺、何かお前を傷つけたか……?」

 首を振る西口。

「……ごめん」

 何か言えば言うほど、西口を泣かせてしまう。

 西口は立ち上がり、竹本さんの方に行ってしまった。

 避けられた。

 西口に避けられた。

 キツい……。

「小野田くん、今日は帰りなさい」

 生返事をした。

 ベンチに一人取り残され、立ち上がることもできなかった。


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