カフェには黒豹と王子様がいます
 キャラメルのブランマンジェだ。
 
 とろっとろの食感と、ちょっと苦いめのキャラメルの風味。上に乗せたかりかりの糸飴、シュクレフィレがたまらない。

「美味しい……」

「ホント、今日は思ったより動いてくれて助かったよ。西口さんがどれだけできるか、わかったしね。まあ、来年は小野田くんたちも今みたいにバイトに入れないだろうから、西口さんに頑張ってもらわないとね」

 そうだ。あの二人は来年は四年生。就職活動や、卒論なんかで忙しくなるんだろうな。

 こうやって一緒に働けるのは今年だけなんだ……。

 あの二人がこの店からいなくなるなんて、考えてもいなかったから、すごくショックだった。
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