カフェには黒豹と王子様がいます
 今日は徳永先輩にちょっかい出していた。

「ちょっと相談があるんだけど」

 と言って厨房に招き入れ、

「どう思う?このケーキ」

 と、フォークにさしたケーキのはしっこを小野田先輩の口元に持っていく。

「あーん♡」

と言われ、仕方なく口を開ける徳永先輩の顔は苦笑いしか出ないみたいだ。

「もう~私にもお客様に向けているようなスマイルちょうだいよ~ケチねぇ」

 といって、徳永先輩の口に入れたフォークをぺろりとなめ、フォークの背中で先輩の胸のあたりをなでる。

最近徳永先輩が、第一ボタンまできっちり閉めているのは、それが原因みたいだった。

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