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「暇つぶしねぇ。…ま、健闘を祈るわ」
「つか何に祈ってんのかも分かんねぇし。てか、今日すげぇ気分悪い。胃痛てぇし」
「それ飲みすぎだろうが」
「だから3杯しか飲んでねぇっつーの」
「お前らしくねぇな」
馬鹿にしたように笑う流星は目の前にあった食べ物を次々に口に運んでいく。
余程、腹が減ってんのか、箸の手が止まらない。
「つか食いすぎだろうが」
タバコの煙を吹かしながら、流星を呆れた様子で見る。
「食うから頼んだんじゃねぇのかよ」
「まぁな」
「訳わかんねーな、お前。珍しい事すっから調子悪くなんだろーが」
「うっせー、ほっとけよ」
結局は頼んだ料理すらあまり口に出来ず、流星が殆ど食ってた。
店を出てすぐ、不意に鳴り出したスマホに手を伸ばす。
その画面を見て軽く首を捻る。
あぁ、誰だっけ。
名前の表示は無く、番号だけが画面に映る。
「お前さ、名前入れろよ」
「いっぱいで入んねぇよ」
覗き込んでくる流星にため息交じりで呟いた。
「はぁ?どんだけ入れてんのお前」
「お前が勝手に教えるからだろうが」
「あ、俺?」
クスクス笑う流星にため息を吐き出す。
「ま、必要ねぇのが3分の1ってとこかな」
「消せよ」
「面倒くせぇしそんな時間すらねぇわ」
「だったら2台持てよ」
「2台も邪魔」
「そうか?使い分けんだよ、仕事用とプライベートに」
「あー…」
小さく呟きながらスマホに視線を落とす。
未だに鳴り続ける着信音に、一息吐きスマホを耳に当てた。