Domain

「ほら、みぃちゃん変えたいって言ってただろ?」

「言ったけど…」

「それ使いな」

「いいの?」

「あぁ」

「って言うかこれって翔名義だよね?」

「あぁ。それがどした?」

「毎月の料金、翔から落ちんじゃん」


つか、突っ込むところはそこかよ。

スマホを眺めている美咲に思わずに苦笑いが漏れる。


「つかさ、みぃちゃんって金の事しか思う事ねぇの?」

「あぁ…ごめん。なんか逢着しすぎてるのかも。で、でも、」


言葉を止めた美咲は申し訳なさそうにチラッと俺を見た。


「そんくらい気にすんなって。料金なんかしれてるし」

「いや、でも…」

「俺がいいって言ってんだから素直に受け取っとけよ」

「うん、ありがと。ってかこの為にわざわざ来たの?」


この為に、とか言うなよ。

今、会わないと会う時間も限られている。

その限られた時間の中で会いたいと思うのは俺だけなのか?

ま、そっか。

そうだな。美咲は他の奴とは違うから言わないし、思わねぇか。


「あぁ。つか、会いたかったし」


敢えてそう口にする俺は美咲を見て口角を上げた。


「ありがと」

「あぁ。みぃちゃんこれからどうすんの?帰る?」

「な訳ないじゃん。バイト行くよ」

「やっぱ行くのかよ」

「行くよ」

「別に行く必要ねぇのに…でもま、みぃちゃん言いだしたらとまんねぇから送るわ」


呆れた様に笑う俺は車を発進させる。

ほんと、しょうがねぇな…


「ごめんね。聞かない女で」

「別にー…」


素っ気なく返す俺に美咲は苦笑い気味にクスクス笑みを漏らした。
< 424 / 587 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop