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「…はいよ」
この時間に出てくれんのはコイツしかいないと思った。
眠さの声など全くない蓮斗の声に安堵のため息が漏れる。
「お前、何してんの?」
「事務所で作業してた。こんな時間にどしたよ?」
「迎えに来て」
「は?」
「帰る足がねぇから迎えに来てほしいんだけど」
「なにそれ。俺タクシーじゃねぇんだけど」
「そのタクシーも捕まんねぇの。お前の事務所から帰りの方向の道だしよ」
「は?全然、真逆だろうが。繁華街なんか通んねぇわ」
「あ、違う。今、店じゃねぇの――…」
蓮斗に場所を伝えて、電話を切る。
駅に辿りついて、俺は真っ暗になっている駅の壁に背をつけてポケットからタバコを取り出した。
それに火を点けて、最初の煙をゆっくりと吐き出す。
所々にある街灯が明るさを照らし出す。
この時間になると人すら全く居なくて、静けさを保っていた。
そしてもう3月だと言うのに夜中の気温は低く、寒い。
「あと、一週間か…」
思わずタバコの煙と一緒に吐き出してしまった言葉。
タイムリミットが迫って来るように美咲が旅立つ日が近づいてくる。
こんなに考えるとは思わなかった。
こんなに頭に思い浮かべるとは思わなかった。
ただ行くという事に、こんなに思い詰めるとは思わなかった。
普段しょっちゅう会ってるわけでもねぇのに、会えないと思うと何故か寂しかった。
「なげぇよ、」
5年。
5年間って、俺がホストになってから今までって事で。
その歴史を辿ると改めて長いと感じさせられた。
この時間に出てくれんのはコイツしかいないと思った。
眠さの声など全くない蓮斗の声に安堵のため息が漏れる。
「お前、何してんの?」
「事務所で作業してた。こんな時間にどしたよ?」
「迎えに来て」
「は?」
「帰る足がねぇから迎えに来てほしいんだけど」
「なにそれ。俺タクシーじゃねぇんだけど」
「そのタクシーも捕まんねぇの。お前の事務所から帰りの方向の道だしよ」
「は?全然、真逆だろうが。繁華街なんか通んねぇわ」
「あ、違う。今、店じゃねぇの――…」
蓮斗に場所を伝えて、電話を切る。
駅に辿りついて、俺は真っ暗になっている駅の壁に背をつけてポケットからタバコを取り出した。
それに火を点けて、最初の煙をゆっくりと吐き出す。
所々にある街灯が明るさを照らし出す。
この時間になると人すら全く居なくて、静けさを保っていた。
そしてもう3月だと言うのに夜中の気温は低く、寒い。
「あと、一週間か…」
思わずタバコの煙と一緒に吐き出してしまった言葉。
タイムリミットが迫って来るように美咲が旅立つ日が近づいてくる。
こんなに考えるとは思わなかった。
こんなに頭に思い浮かべるとは思わなかった。
ただ行くという事に、こんなに思い詰めるとは思わなかった。
普段しょっちゅう会ってるわけでもねぇのに、会えないと思うと何故か寂しかった。
「なげぇよ、」
5年。
5年間って、俺がホストになってから今までって事で。
その歴史を辿ると改めて長いと感じさせられた。