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「…翔くん?」
品物を買って外を出ると、不意に聞こえた声。
こんな高級ブランド街の街並みで俺の名前を呼ぶ声に、反射的に顔を向ける。
向けた先に梨々花が居て、梨々花は不思議そうに俺とさっき出て来た店を交互に見つめた。
「久しぶりだね」
薄い茶色のセミロングの髪を耳にかけながら梨々花はそう言って頬を緩めた。
「あぁ。こんな所で何してんの?蓮斗と一緒?」
「ううん。職場そこだから」
道路を挟んだ真向かいに向かって梨々花は指をさす。
その方向に視線を向けると高級ブランドに挟まれた一角にネイルサロンが目に入った。
「あ、そうなん?またこんな高級店の一角で」
「そんな翔くんはこんな高級店に買い物ですか?」
クスリと笑って梨々花はさっき出て来た店をもう一度見上げた。
「ちょっと」
「うーん…ちょっとって言う金額じゃないよね、ここ」
「そう?」
「お店のお姫様にプレゼントですか?」
「なんでそーなんだよ、」
俺の呟きにクスクス笑う梨々花から視線を外し、腕時計に視線を落とす。
「悪い。急いでっからまたな」
「じゃあね」
ヒラヒラと手を振って来る梨々花に背を向けて車に乗り込み、俺は空港までの道のりを走った。
まだ、間に合う。
いや、間に合ってほしい。
空港について溢れる人混みの中、大画面のモニターに視線を上げる。
ズラッと並ぶ離陸の時間。
その中でブリスベン発20時05分の文字を見つけた。
溢れかえる人がうっとおしいくらい邪魔で、美咲を見つけることが出来ない。
どれくらい探したのかも分からない時だった。
出国手続きのゲートの方向に向かって歩いていく美咲の姿を目でとらえた時、俺は無意識に叫んでいた。
「…美咲!!」
その声で一瞬、美咲が止まったものの、再びその足は動き出す。
この溢れかえる人混みに俺はもう一度、名前を呼んだ。
品物を買って外を出ると、不意に聞こえた声。
こんな高級ブランド街の街並みで俺の名前を呼ぶ声に、反射的に顔を向ける。
向けた先に梨々花が居て、梨々花は不思議そうに俺とさっき出て来た店を交互に見つめた。
「久しぶりだね」
薄い茶色のセミロングの髪を耳にかけながら梨々花はそう言って頬を緩めた。
「あぁ。こんな所で何してんの?蓮斗と一緒?」
「ううん。職場そこだから」
道路を挟んだ真向かいに向かって梨々花は指をさす。
その方向に視線を向けると高級ブランドに挟まれた一角にネイルサロンが目に入った。
「あ、そうなん?またこんな高級店の一角で」
「そんな翔くんはこんな高級店に買い物ですか?」
クスリと笑って梨々花はさっき出て来た店をもう一度見上げた。
「ちょっと」
「うーん…ちょっとって言う金額じゃないよね、ここ」
「そう?」
「お店のお姫様にプレゼントですか?」
「なんでそーなんだよ、」
俺の呟きにクスクス笑う梨々花から視線を外し、腕時計に視線を落とす。
「悪い。急いでっからまたな」
「じゃあね」
ヒラヒラと手を振って来る梨々花に背を向けて車に乗り込み、俺は空港までの道のりを走った。
まだ、間に合う。
いや、間に合ってほしい。
空港について溢れる人混みの中、大画面のモニターに視線を上げる。
ズラッと並ぶ離陸の時間。
その中でブリスベン発20時05分の文字を見つけた。
溢れかえる人がうっとおしいくらい邪魔で、美咲を見つけることが出来ない。
どれくらい探したのかも分からない時だった。
出国手続きのゲートの方向に向かって歩いていく美咲の姿を目でとらえた時、俺は無意識に叫んでいた。
「…美咲!!」
その声で一瞬、美咲が止まったものの、再びその足は動き出す。
この溢れかえる人混みに俺はもう一度、名前を呼んだ。