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「何で止めんだよ」
美咲を見下ろし顔を顰め、小さくため息を吐き捨てる。
つか、マジで関係ねぇのに。
でも何故か関係ねぇ事なのに苛々する。
「ってか、なんでアンタが怒ってんのよ」
ごもっともな言葉を吐き捨てられ、挙げ句の果てに美咲は顔を顰めた。
「みぃちゃんが怒ってっからだろ」
「は?私が怒ってるからアンタも怒ってんの?」
「あぁ」
「意味分かんない。あんた馬鹿でしょ?」
顔を顰めた美咲に俺は思わず頬を緩める。
「あー…俺?よく言われるかも」
フッと笑う俺に美咲は本当に馬鹿にしたように俺を見つめた。
だけど、その視線はすぐに逸らされ、美咲は俺に背を向けて足を進めた。
待てよ、お前。
俺を馬鹿にしたような目で見て何も言わずに行くんじゃねぇよ。
「おい」
つい低く出してしまったその声に美咲は足を止めてゆっくり振り返る。
「何処行くんだよ」
続けて吐き出した言葉に何故か美咲は顔を顰めた。
「何処って何処でもいいでしょ」
面倒くさそうに答える美咲の態度が焦っているように思い、俺は頬を緩める。
「友達ん所だろ」
「…っ、」
確信なんてなかった。
さっきの話の流れからだとそう思った俺は、ただ言っただけで。
でも、その適当に言った言葉が当たってたのか、美咲は目を見開いた。
「図星」
思わずフッと笑うと、美咲は少し目を泳がす。
「じゃ、俺が送ってあげる」
このまま放置は出来なかった。
咄嗟に美咲の腕を掴んで足を進ませたけど、
「ちょっ、ちょっと待って!!」
案の定、張り上げた声と、俺の腕を美咲は掴んだ。
その手に力が込められ、案の定、俺の足が止まる。