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本当の実感


目覚めた頃にはもう朝日が差し込み、その光に一息つく。

ソファーで寝た所為か、自棄に身体が痛い。

軽く頭を摩りながら起き上がり、テーブルに置いていたデジタル時計に視線を送る。


…5時半か。

起きたままのこのジャージ姿で、俺は携帯とタバコを手にマンションを出る。


出てすぐにある石段に腰を下ろし、タバコを咥えると同時に携帯を見つめる。

結局今まで切っていた電源を、俺は仕方なく入れた。


暗闇からパッと明るくなった画面に一息打つ。

これからその画面に何が映るんだろうと思いながら、画面を見つめた。


「うわっ、マジか」


思わず呟いた声に、表情を崩す。

電話を掛けてきた相手の番号がメッセージに全て記載されてある。

数えられないくらいのその数に、顏が引きつるとともに、メールまでも大量だった。


その殆どが、客からで。

どうしたの。今日来ないの。会いたい。

そんなメッセージの中、″電源切んなよ、この馬鹿やろー″流星のその文字に更に顔を顰めた。


一瞬躊躇った。

どうしようか迷ったけど、流星の電源入れたら電話しろ。と言う文字に、俺は仕方なく耳に当てる。


待ってました。と言わんばかりに流星の、「おせーよ、馬鹿」苛立った声が受話口から響いた。


「…おはよ」

「は?おはよ。じゃねーだろ、お前。ふざけんなよ」


案の定、流星の怒りに満ちた声が耳に届いた。


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