炭酸キャンディ

決意



あれから3日間委員会は続いた。

あれ以来、智哉くんがくることはなくて

いつも駿くんと2人で淡々と作業をこなしては


少し喋って...そんな感じ。


メールをしたのは1回だけ、

『よろしくね』その一言。



とくに進展することもなくて、


好きなのになにも出来ない自分に

ため息を付くばかりだった。




「はぁ...」


「どうした?」


あっ...


あたしってばつい


隣に駿くんがいることすら忘れて


こんなおっきなため息...


「な、なんでもない!」

「そっか」


焦って否定したけど

駿くんが少し切なそうにそう言った。



...今、傷つけたかな

せっかく2人でいることも話せる事も


すっごくすっごく嬉しいのに...







「帰るか」

「えっ....うん」



長い沈黙、気がつけば


下校時間になっていて



結局いつものように駿くんと



他愛もない話をしながら帰宅した。



自分の部屋に入ってパタンとドアを閉める。




....あ。


今日で図書委員最後だったんだ...



またどうせ順番は回ってくるけど


全学年いるわけだし、きっと数ヵ月後...



それに、たまたま駿くんとペアだったけど


次も同じなんて限らない。



それにいくらメールできたとしても


学校では全然見かけないし


校舎も離れているから会うことも滅多にない。




もう...ほとんど接点なんてなくなってしまったんだ。
< 23 / 62 >

この作品をシェア

pagetop